ふじみの国際交流センター(FICEC)~外国人と創る多文化共生社会~

埼玉県のNPO法人ふじみの国際交流センターの日々の活動と感じたこと

埼玉の人口問題研究会に参加して

FICECセンター長の講演に感動し、スタッフとして働くようになった、なにわガールのOです。蒸し暑い日が続きますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。

今年の5月終わりから来年2月までセンターからの派遣で、埼玉の人口減少問題について考える政策研究会に参加させてもらっています。なんと日本の人口は2050年には1億人を割り込み、2100年には4,500万人に減ってしまうという推計があるそうです。さらにショッキングなことに、現在の人口増加率が将来も続くという仮定のもとで推計すると、2144年には日本の人口がゼロになると予測されているそうです。実際にゼロになるというのはちょっと考えにくい話かもしれませんが、確かに私の友人や知り合いの話を聞いていても、そもそも結婚していなかったり、結婚していても子どもがいなかったりして、子ども人口が相当数減っているような気がします。また、地方に行くと親の世代を引き継ぐ子どもたちがおらず、住む人がいなくなってしまった空き家が目立ちます。私たちはこの大きな課題にどのように向き合うことができるのでしょうか。とても大きな難問を突きつけられた気がします。

この政策研究会は、まだ始まって2回目が終わったところですが、前回は人口減少問題を「自然増」、「社会増」、「雇用増」という3つのグループに分けて話し合いをしました。「自然増」というのは、出生数が死亡数を上回った状態で、話し合いの焦点となるのは①出生数の増加、②死亡数の減少が基本となります。「社会増」というのは転入・転出に伴う人口の動きで、転入者が転出者を上回った状態のことを指します。私は「自然増」グループに入り、今後7人のメンバーでこの問題について考えていく予定です。

2回目の研究会で「自然増」グループは、①について話し合いをするために1.「結婚を増やす」、2.「もう一人子どもを産む」という2つの観点を設定し、この2つを実現する方策について意見を出し合いました。「結婚を増やす」ための方策としては、企業への婚活支援、安価で参加できる縁結びツアーの企画、飲食店によるカップル向けの特典、親子間での考えをすり合わせる場の提供、付き合っているけど結婚していない方々への支援、男性のコミュニケーション力アップセミナーの開催など様々な案が出されました。「もう一人子どもを産む」方策については、金銭的サポート、周りの妊婦さんや子育て中のお母さんへの優しい声掛け、育休・産休後の職場復帰サポート、親元近居へのサポート、子育てを楽しく感じてもらうようにするなどの意見が出されました。具体的にこれらをどのように政策提言にまでもっていくかは今後の課題ですが、一緒にグループワークをやっている埼玉県中から来たエネルギッシュな民間企業や自治体の若手メンバーや、埼玉の将来について一生懸命考えようと自ら志願して来られた自治体の課長級の方もいて、こういう方たちが埼玉にいることを非常に頼もしく感じ、こちらも活力を与えられた一日でした。